映画「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」のあらすじや感想を紹介!イタリア発の良質ドタバタクライムコメディ

不器用で不遇な天才学者たちが、一攫千金のために合法ドラッグ開発に奔走!

イタリアの現状を痛烈に描き、本国で大ヒットを記録した社会風刺コメディ3部作の第1作目。

映画「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」のあらすじ

神経生物学者のピエトロは、勤務先の大学との契約を突然打ち切られ職を失ってしまう。そのことを同棲中の恋人ジュリアに打ち明けることができないばかりか、「大学と長期契約になったからお金の心配はいらない」と嘘をついてしまう。

困り果てたピエトロは、自分の知識を活かして合法ドラッグを製造し、高値で売って儲けることを思いつき、同じく不遇な状況にある天才教授仲間を集めて、高学歴のギャング団を結成する。

彼らが開発した合法ドラッグは質の良さが評判となってまたたく間に広まり、ピエトロたちは多額の報酬を手にする。欲が出た彼らはドラッグ製造をやめようとはせず、羽振りの良い暮らしに溺れていく。

そんな中、ローマのドラッグを取り仕切るボス・ムレーナに目を付けられ、トラブルに巻き込まれていく…。

映画「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」の感想レビュー

オススメ度:7/10 ★★★★★★★☆☆☆ テンポよし、ストーリーよし!音楽よし!イタリア発の良質ドタバタクライムコメディ

2009年の欧州危機によってヨーロッパの経済は大きく傾き、イタリアでも研究費のカットなどで多くの学者や研究者たちが失職に追い込まれたという。その事実に着想を得て制作された本作は、痛烈な社会風刺を描きながらも大いに笑えるコメディに仕上がっている。

新進気鋭の若手監督シドニー・シビリアの長編デビュー作で、小気味よい展開とスタイリッシュな映像、劇中を彩る数々のロックミュージックもおしゃれな作品だ。

ただし残念なのは、日本での一般公開の順序。本作はイタリア映画祭2015で上映されたのち、2018年に一般公開されたのだが、「2作目→1作目→3作目」と、本来の制作順とは異なる順序で公開されてしまった。

公開順を信じて「2作目から見てもわかるのだろう」と思って鑑賞した人の中には、残念な感想を抱いた人もいたようだ。

劇場上映時は笑いが起こるほどのコメディで、伏線回収が秀逸な作品であり、さらに1作目より2作目の方がスケールアップしているため、2作目→1作目の順で見た人にとっては、1作目がやや失速気味に感じられてしまったようだ。

これからご覧になる方は、しっかり順序を守って1作目である本作から順に見ていただければ問題なく楽しめる。

個性的で愛嬌があるキャラクター陣

登場人物全員の個性がこれでもかというくらい際立っており、ものすごくクセが強い。それぞれに愛嬌があり、1作品見終わるとなぜかファンになってしまう魅力がある。

イタリア映画をあまり見ない人にとっては馴染みのない俳優たちが多いかもしれないが、外見も行動もクセだらけなので、見分けることには苦労しないはずなのでご安心を!(ただし、名前を覚えるのはなかなか難しいかも…)

合法ドラッグ開発を思いついた張本人である主人公のピエトロは、仲間たちに声をかけて犯罪の道へと丸め込んでいく悪いヤツだが、自分が罪をかぶる男気もあり、どこか憎めない。

ピエトロが最初に声をかけたふくよかな男性アルベルトは、中華料理屋で皿洗いのバイトに甘んじているが、実は凄腕の計算科学者。彼の技術と知識なしでは合法ドラッグの開発は不可能だったが、追い詰められて自分もドラッグに手を出してしまう、情けない一面も。

ちなみに筆者のお気に入りは、赤いシャツのマクロ経済学者・バルトロメオである。

頭が良すぎるがゆえの、ユーモラスな「道の踏み外し方」

全員が頭脳明晰な天才学者なのだが、落ちぶれてしまい、その日暮らしの職に就いて辛酸をなめている。その不遇さから抜け出すためにドラッグ開発に手を染めるのだが、犯罪に関してはもちろん全員素人なので、行動のすべてがドタバタで危なっかしく、そのさまが逐一笑いを誘う。

「頭は良いけど何かが欠けているのでは…?」という謎の行動も度々あり、不器用な天才たちが道を踏み外すとこんなことになるのか、と妙に納得してしまう。天才と何とかは紙一重、とはよく言ったものだ。

秀逸な伏線回収

若干時系列が込み入っている箇所もあるが、1作目の中でも細かい伏線がちりばめられ、しっかり回収されている。ぜひ最初から最後まで集中してご覧いただきたい。「あの時の彼は君か!」と唸ること間違いない。

なお、伏線は続編にもしっかり活きているので、できれば3作一気見がオススメである。

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まとめ

高学歴であったり、専門分野の知識を持っているのに、それを活かせず悶々とした日々を送る人というのはどこにでもいる。

本作では、犯罪は絶対に許されないのだが、ふとしたきっかけでそれに走ってしまった人たちの悲哀とドタバタ劇をユーモラスに描いている。

この作品を見れば、「いつだってやめられるから、ちょっとだけならいいだろう」なんて思わずに、日々をまっとうに生きよう、と痛感するはず…。

監督:シドニー・シビリア

キャスト
ピエトロ・ズィンニ…エドアルド・レオ
ジュリア…ヴァレリア・ソラリーノ
アルベルト・ペトレッリ…ステファノ・フレージ
マッティア・アルジェリ…ヴァレリオ・アプレア
アルトゥーロ・フランティーニ…パオロ・カラブレージ
バルトロメオ・ボネッリ…リベロ・デ・リエンツォ
ジョルジョ・シローニ…ロレンツォ・ラヴィア
アンドレア・デ・サンクティス…ピエトロ・セルモンティ

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