映画「彼女がその名を知らない鳥たち」のあらすじや感想を紹介!共感できないクズの男女たちの愛の形を描いた衝撃作

“イヤミス”の沼田まほかる原作דアウトロー”の白石和監督による究極の愛の映画

共感できないクズの男女たちの愛の形を描いた衝撃作。

映画「彼女がその名を知らない鳥たち」のあらすじ

不潔で品がなく取り柄のない15歳年上の男・佐野陣治と共に暮らしている北原十和子。8年前に別れた黒崎のことが忘れられないまま、働きもせず陣治に依存し、買い物先にクレームを入れてうっぷんを晴らしながら自堕落な日々を過ごしている。

ある日、十和子がクレームを入れた時計店の社員・水島が自宅に謝罪に来る。彼に黒崎の面影を感じた十和子は水島と関係を持つが、彼は黒崎と同じく妻帯者であった。

十和子の姉・美鈴から「黒崎とはよりを戻すな」と言われたことや、水島との情事によって黒崎への思いを爆発させた十和子は、黒崎の携帯に電話を掛ける。

しかし後日、自宅に訪ねてきた刑事から、黒崎の携帯電話に出たのは妻だったということ、そして黒崎は行方不明であることを知らされる。

その後も十和子は水島との情事に溺れるが、陣治が自分にみせる異様な執着と不気味な行動、そして自分を尾行していたことを知り、黒崎の失踪に陣治が関わっているのではないか、水島にも危険が及ぶのではないかと不安を抱き始める…。

映画「彼女がその名を知らない鳥たち」の感想レビュー

オススメ度:8/10 ★★★★★★★★☆☆ 予想外の展開がみせる、真実の愛の物語。

事件をめぐるサスペンスミステリー…と思って見ていると、カウンターパンチをくらう。狂っていると思っている人が、実は大きな愛を抱えている。ちょっとしたどんでん返し系サスペンスよりも、よほど展開がひっくり返って驚かされる作品。

ただ、この愛を理解できますか?と言われるとなかなか難しいので星マイナス2。沼田まほかる×白石和彌が描く愛は一筋縄ではいかない、深くて難解である…。

後を引きずる壮大などんでん返し

物語序盤の陣治は本当に不潔で、品のかけらもない。食事中に抜けた歯をいじり、靴下を脱いで足の指についたゴミを取り、クチャクチャと音を立てながらものを食べる。そして十和子に執着し、跡を付け、十和子に近づく男は排除しようとする異常な行動をとる。

そんな陣治に十和子は恐怖を抱くが、実は陣治の行動はすべて十和子をかばってのものだったということが明らかになる。

終盤の陣治の視点で展開される事実は、すべてが180度異なる。黒崎によって傷ついた十和子を少しでも笑わせよう、幸せにしようという陣治の必死の思いが痛いほど伝わり、これまでの奇妙な行動はすべて愛だとわかる。

ラストで陣治がとる行動には、思わず涙せずにはいられない…。けれどきれいな涙ではない、悲痛すぎる。鑑賞後の虚無感が半端ない作品である。

キャスティングの妙

阿部サダヲと蒼井優のダブル主演である本作。阿部サダヲが陣治の二面性を見事に表現しており本当に素晴らしい。いくら演出とはいえ、序盤のヨゴれ具合と終盤の愛にあふれた姿は別人かと思うほどだ。

蒼井優が演じる十和子のイヤな女っぷり、そして絶望の淵に立たされた姿もまた見事としか言いようがない。

そして新境地を開拓したのは、最後まで最低だった本当のクズ男・水島を演じきった松坂桃李だろう。

遊び相手として十和子に目を付け、タクラマカン砂漠がどうとか巧みな言葉を使って十和子をその気にさせ、立場が危うくなると十和子を遠ざけ、性欲だけはしっかり処理させ、最後にはナイフで刺されてあたふたと逃げるのだ。

これでルックスがいいのだから本当に腹が立つ…。究極のクズ男を体当たりで演じた松坂桃李に、心から大きな拍手を送りたい!

U-NEXT・Huluにて配信中

まとめ

イヤな女とイヤな男ばかり出てくる暗い話…と思って見ていると、大いに騙されること間違いなし。共感はできないけれど、真実の愛を描いた物語である。

そしてとにかく俳優陣がすごい。日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を受賞した蒼井優はもちろん、全員クズで不気味で愛に飢えているさまを熱演。オススメの映画だが、生気を奪われる作品なので、元気があるときにぜひご堪能いただきたい。

監督…白石和彌

キャスト
北原十和子…蒼井優
佐野陣治…阿部サダヲ
水島真…松坂桃李
黒崎俊一…竹野内豊
國枝カヨ…村川絵梨

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