映画「獣は月夜に夢を見る」のあらすじや感想を紹介!恐怖と憎悪について考えさせられる作品

北欧の映画を観るのは、今回が初めてとなる。デンマークとフランスによる製作で、ノルウェーの映画「僕のエリ 200歳の少女」など、北欧の映画が注目されている様子。ハリウッドで受ける類のテーマではないが、ヨーロッパ方面では評価されている。

主演は、ソニア・ズー。あいにく資料が見当たらない。

映画「獣は月夜に夢を見る」のあらすじ

若く美しいマリーは、寒さの厳しい漁港の街で、父と共に病気の母の世話をしながら暮らしていた。ある日、身体に違和感を覚えラーセン医師に診てもらうが、様子を見るとだけ言われる。

魚の加工工場に勤め始めた初日、意地の悪いエスベンの手荒な新人歓迎を受ける。周りは歓迎ムードだが、繊細なマリーは笑って受け流すことが出来ないでいた。心細い中、笑顔を見せるダニエルにだけは心惹かれる。

浮かない気持ちで帰宅すると、父が母の様子を診に来たラーセン医師と真剣な面持ちで話をしている。窓際で自分を見つめている母の表情はいつもと違い、気になったマリーは医師の鞄から母の記録を抜き取ってしまう。

記録には、身体中に傷あとのある男の写真が入っていた。献身的に母の世話をする父だが、マリーは夕食後の風呂場で奇妙な光景を目にする。その夜、悪夢にうなされ目を覚ますマリー。

職場でのエスベンの嫌がらせは、異様にエスカレートしていく。恐怖を覚えたマリーの身体には、目に見えて変化が出始める。母の病気との関連を確信するが、ひた隠しにする父に苛立ちを覚え、身体の変化を見せる。

父の知らせを受けたラーセン医師は、母親と同じ病だなので、薬を飲むよう説得する。マリーは、それを拒む。

母の記録から過去の出来事を調べ始めるが、職場で親切なフェリクスは止めろと言い、気晴らしにマリーを踊りに連れて行く。そこでダニエルに会うが、ダニエルは変わりつつあるマリーに笑顔を見せ続ける。

夜中に帰宅したマリーを待っていたのは、自身を否定する出来事だったが、思わぬ人物がマリーを助ける。
誰が味方で、誰が敵か。ここから、際どい均衡が崩れ始める。

映画「獣は月夜に夢を見る」の感想レビュー

★×6

マリーの決意、周囲の人々が持つ恐怖、信じている者の残酷な優しさなど、見応えある作品!
話が進むにつれて、恐怖と憎悪について考えさせられる。話が進むにつれて、一方的な恐怖ではないことが分かる。

1990年代初めのいくつかの作品で、恐怖の発信者が悪とは描かれていなかったものと似ている。今回の作品では、もっと根本的な事柄に触れ、さらに奥深さを感じる。

ある時期を境にして、豹変する人たちの行動が冷酷で悲しい。マリーが殺戮を始めたのではなく、周りの恐怖心や憎悪が彼女を追い込んでいる。

狼人間ではない!?

一貫して奇病として扱っているのが、面白い。マリーの父親もラーセン医師も、母娘に行うのは言わば対処療法で、薬漬けで彼女たちの感覚を奪おうとしている。それは殺してしまうのと同じことで、悲しく恐ろしい。

家族に向ける父の愛情を信じていたマリーだが、直ぐに自分達への裏切りであったと理解する。それに対するマリーの恨みは、静かで鋭い。

目で語るマリー

主役のソニア・ズーのインパクトは強い!撮影当時20歳と若いが、様々に変化する無言の表情は見事。小悪魔的な笑顔も見せている。
残念ながら、彼女の情報は見つからず。

実は社会派映画!?

追われるマリーは、迫害を受けている様子になっていく。劇中で、母娘は終始犠牲者であり、本来の善悪も逆転している。こういった視点が、ヨーロッパで評価されたたころかと思う。

北欧の演劇では、現実批判、理想主義、神秘主義などが見られるという。この精神は、映画にも影響しているのだろう。

U-NEXTにて配信中

まとめ

演技、描き方、脚本も、とても丁寧なものだったのかと思う。
デンマークの環境、人などに馴染みはないが、とても貴重なテーマが描かれていたと思う。しかも、くどさも感じなかった。

それにしても、邦題はひどいと思う。ついでに英題も。欧米では、あまり題名には拘らないのだろうか。シルベスタ・スタローンのランボーの原題「ファースト・ブラッド」とか付けたい気分だ。

監督:ヨナス・アレクサンダー・アーンビー

キャスト
マリー・・・ソニア・ズー
マリーの母・・・ソニア・リクター
マリーの父・・・ラース・ミケルセン
ダニエル・・・ヤーコプ・オフテブロ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です