映画「リミット」のあらすじや感想を紹介!スリル抜群のサスペンス映画

緊迫感に苛まれ続ける90分。棺の中に閉じ込められた男は、迫りくる命の限界[リミット]に立ち向かう。

場面転換はほぼ無しのワン・シチュエーション・スリラーに息を詰まらせるのは、棺の中の男だけではない。観客もまた同じだ。

映画「リミット」のあらすじ

イラクでトラック運転手の仕事をしていたポールは、突然何者かに襲われ、意識を失ってしまう。ポールが目を覚ますと、そこは粗末な木で作られた棺の中だった。

棺を叩いて叫んでも、誰も助けには現れない。何故、自分がこんな目に遭わなければならないのか。目的も素性も不透明な、理不尽な犯人に憤りと恐怖を感じながら、棺の中に残されていた携帯電話とライターを手に、ポールは脱出を試みる。

次第に薄くなっていく酸素、減っていくライターの燃料と携帯電話のバッテリー。限られた時間と脱出手段の中、ポールは外界へ助けを求める手段を、死に物狂いで模索していく。

映画「リミット」の感想レビュー

オススメ度:7/10 “閉じ込められる”という本能的恐怖をかき立てる、極限サスペンス

『リミット』は、“棺の中”というシチュエーションからほぼ場面が動くことがない。

ポールが外界と連絡を取ることに成功しても、助けようと動く人々の様子が描写されることは一切ない。今、一体誰が、どのあたりまで真相を突きとめて、どのくらい自分の救出に近付いているのか知ることができない。

終始、助けを待ちながら、か細いライターの明かりのみを頼りにするポールの姿が映し出されているのみだ。

観客は、そんなポールの姿に感情移入せざるを得なくなる。すると、まるで自分も棺の中に閉じ込められているかのような息苦しさと、命の危機が迫っているという緊迫感を覚えずにはいられなくなるのだ。

ポールと一体となって、「早くここから出してくれ」と願うからこそ、この映画の結末は劇的なものになる。

突然に訪れる理不尽がもたらす恐怖

主人公ポールは、なんのいきさつもなく棺の中に閉じ込められる。一体誰が、なんのために、という説明もないまま、映画はポールが暗闇に捕らわれている場面から始まる。

多くの映画が、何故この状況に至ったか、を説明する場面を入れる一方で、『リミット』にはそれがない。しかし、説明不足によって映画に入り込むことができない、という現象は起こらない。

何故なら、“知らない内に狭い場所に閉じ込められている”という恐怖が、多くの人に共通しているからだ。

観客は、ポールの混乱した様子から、もしも自分がこのような状況に陥ってしまったら、という想像を膨らませる。そして観客はポールと同じく、「早くここから出たい」という焦燥感と恐怖を抱く。

感情移入のための説明がいらない。それはこの映画が、いかに根本的な恐怖を描くことに成功しているかの裏付けになることだろう。

“外の世界”とのギャップに抱く苛立ち

ポールが携帯電話で外界とのコンタクトに成功した時、感情移入していた観客は、ようやく見えてきた希望の光に少しの安堵を覚えることだろう。

しかし、電話の向こうの対応は冷たいもので、イタズラ電話だと思われたり、相手にされず対応部署をたらい回しにされたりする。ポールには時間がない。

酸素、ライターの燃料、携帯電話のバッテリー、自らの命…あらゆるものの“リミット”が迫っている中で、外界の人間のこの対応に苛立ちを覚える観客も少なくないだろう。

ここで観客はすでに、この物語の当事者となっている。今まで外界にいたはずの観客は、自ら棺の中に意識を置くようになる。

ポールの主張を親身になって聞いてくれて、すぐに助けに行くと元気づけてくれるヒーローが登場しないことに、現実世界に則したリアリティを感じる。

このやきもきとした展開もまた、多くの人間が抱えている日常生活への苛立ちに似ている故に、感情移入への大きな助けになっている。

感情移入の先に待っている劇的な結末

この映画の最大の持ち味は、そうして観客を感情移入させていった末に待っているラストの展開だろう。

未観賞の映画はどんなものでもネタバレを避けた方がいいと筆者は思っているが、この映画においては特に気を付けていただきたい。

何も知らないままに観賞し、ポールと一体化し、「早くここから出たい」と願い祈った末に、一体何が待ち受けているのかは、是非自分の目で確かめてほしい。

そうすれば、観賞後に大きな感情に支配されることだろう。観賞中に感情移入した分だけそれは大きくなる。是非没入しながら観てほしい作品だ。

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まとめ

この映画は、ワン・シチュエーション・スリラーという物珍しさだけで評価された作品ではない。

観客を惹き込むストーリー展開、脚本、そして、たった1人で“リミット”に立ち向かった主人公ポール役のライアン・レイノルズの演技力。すべてに説得力があるからこその評価だ。

その説得力故に、閉所恐怖症などをお持ちの方にはオススメできないのが残念だが、そうでない方には是非とも観ていただきたい。特に、あらゆるサスペンスを観て、この手の映画はやや食傷気味だという人にこそオススメだ。

観終わって“外界”に戻ってきた時、いつもより太陽がまぶしく感じるはずだ。

監督…ロドリゴ・コルテス

キャスト
ポール・コンロイ…ライアン・レイノルズ
リンダ・コンロイ…サマンサ・マシス
ダン・ブレナー…ロバート・パターソン

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